marikolog

ヴァイオリン奏者として活動している水野真梨子のブログです

VIOLINと音楽とうさぎと教室での毎日を綴ります。
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レガート バイオリン教室(精華町光台 * 奈良市富雄北)

知恵の授受

最近すっかり時間が少なくなってしまったけれど、
私は実家が昔本屋を営んでいた事もあってか、
本や絵本を読むのが好きで、
クリスマスや誕生日には本かウメボシ(これも大好き)を貰っていました。

今月、船上に「暇つぶし」をたくさん持っていくように言われ、
真っ先に幸田文の文庫本を二冊、入れました。
こういうときそばに置いておきたい本は、幸田文のものです。あ、これ何度か書いてるな。

幸田文の本を読むようになったきっかけは、
国語の教科書に載っていた「濃紺」でした。
毎年、四月の新学期になると新しい国語の教科書に載っている作品を読むのが好きでした。
その中で出会った「濃紺」。
選ばれる言葉ひとつひとつが繊細で、風景は写実的でまるでそこに居るようで、少し古くて、
その頃の私には新鮮なような、懐かしいような、
とにかく瞬間的にこれは気に入ったと思わせるものでした。

「わたし、今まで好きな作家さんておらへんかったけど、幸田文の文章がすごい好きやわ!」
と、お気に入りが出来た嬉しさを親に話したところ、
「ああ、露伴の娘やな」
と返事があり、彼女の父親もまた作家であった事を知りました。
でも「へ~そうなんや」と思った以外、幸田露伴の作品を読もうとは思いませんでした。

それから月日は流れ流れて、先日、
船の上でテレビをつけてみると、
なんとNHKで幸田家(特に、露伴と文について)の番組が!

文は、父である露伴に献身的に尽くす中、
露伴の晩年に、父親について書き始めたのが作家活動のきっかけとなったのですが、
その作品の中に親子や躾について記したものが多くあったという事が番組で紹介されていました。
その中で紹介されていたものを心に留めておきたかった為にここに記しておきます。

―“生きていく上に役立つ知恵の授受”がいくつあったのかということが,
  子が親に結ぶ長持ちする連結部分につながっている

これは真理ではないでしょうか。
親子だけでなく、さまざまな関係の中でも同様ですね。
日ごろ、これまでレッスンを見て下さった先生がたに感じているものが何なのか、
この一言でストンと納得いきました。恩と言うには、何かちょっと足りない。
生きていくための、知恵の授受。しかもそれが自分のアイデンティティに深く根ざしているものですから、尚更濃い。
「恩師」はいつまでもこの道に導いてくださった「恩師」であり、他と違った存在であると感じる理由が分かった気がしました。

さてうちでいう知恵の授受はというと、
私の幼少期のおやつはスルメ、もしくは柿ピー。
おかげで今もお酒のアテのようなものに手が伸びやすく、さらにお酒まで嗜むようになってしまいました。
まあこれは母方がもともと酒屋さんで酒豪ばかりなので自然の成り行きかもしれませんが、
お陰さまで時代に逆らって飲みにケーション能力をつけることができまして、
万事スムーズに生きていくことが出来ていると言っても過言ではありません。
まさに生きていく上に役立つ知恵です。サンキューお母さん!
何の話をしてるんだか分からなくなってきたので、

庭のアサガオとウサギの写真をはっておきます。

 

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父である露伴の作品も、番組内で紹介されていた文章を見て、読んでみたい、と思いました。
露伴が大好きだったという隅田川、幸田家が過ごした邸宅にも、足を運んでみたいなぁ。

とまたもや旅に出ようとソワソワしている私でした。さあいついこっかな!