marikolog

ヴァイオリン奏者として活動している水野真梨子のブログです

VIOLINと音楽とうさぎと教室での毎日を綴ります。
教室のお問い合わせや演奏依頼はvn.mizunomariko★gmail.comまで。(★を@に変えてください)
レガート バイオリン教室(精華町光台 * 奈良市富雄北)

無意識の差別

9月末にFM COCOLOをお辞めになった小谷真美子さんの最後の放送を聴いた。

お住まいの奈良から沖縄に移住すること、
その最大のきっかけは6年生の娘さんに対するいじめと、無理解と、一部の先生たちの無意識の差別だったということを、いつも通りの落ち着いた口調で語られていた。

 

「ハーフ人」「うわ、あいつ来た」から始まり、
5年生のころには物を隠されたり捨てられたりという行為に発展したのだそうだ。
6年生の時に娘さんが新たに晒されたのが教師の無理解と差別。
みんなで話し合おう、という体で始まったHRで教師がクラスメイトに話して聞かせたのは、

 みんなそれぞれ顔が違うよね。それって仕方ないよね。
 だから、彼女が髪の色や肌の色が「違う」のも仕方ないよね。

だったそうだ。


あらためてみんなの前で「みんなと違う」と先生から烙印をおされた幼い女の子は酷く傷ついたようで、母親である小谷さんも”先生に悪意が無いのは分かるから糾弾しようとは思っていないが、何が問題なのか理解してもらえなかったのが、無意識の差別の難しさだ”という趣旨の事を語っておられた。

 

以前私も夫も、小谷さんと娘さんをとあるライブでお見かけしたことがあるし、
お住まいは奈良で、他にもいくつか繋がりがあり、一方的に存じ上げている。
夫婦ふたりで、なんと悲しいことかと話しながら、私は
「あんなかわいい子やのにな」とつぶやく夫についてもあらためて考え込んでしまった。
そして、30年以上生きていて、私はマイノリティになった事が無いとあらためて思い知った。

 

小谷さんの娘さんや、私の夫やその妹、母親が日々「ハーフ」や「ガイジン」といったマジョリティーからの悪意のない差別(区別と呼ぶ人もいる)を浴び続けていることを、全く理解してあげられていなかったと猛省した。


正直、言っているほうに悪意は無いんだし、ポジティブな意味でとらえたらいいんじゃないの、と思ったこともある。マイクロアグレッションのいい例だ。

今さらながら、この時代になってもまだなお、こんなに身近な地域で小谷さん親子のような思いをする人がいるということを知り、彼らが想像以上の頻度で無意識の差別を受けているのだということ、そして誰も無頓着でいてはいけないのだということを思った。


夫と出かけると、
日本語で話していてもお店の人が私の方ばかり向く、
はなから英語メニューを渡される(訳が酷いことも多いらしく、結局日本語メニューをもらう)のは日常で、
お箸の使い方上手ですね、日本語上手ですね、ハロー、英語でなんか喋ってみて、は何万回と言われているらしい。
それらに対して「どっちの気持ちもわかるわ~」とか言っていた自分、全く解っていなかったようだ。
英語のほうがいいかなっていう気遣いじゃないの?悪意はないんだよ、ほら上手って褒めてくれてるんだし、ポジティブな意味でしょ。どうもどうも~で流せばいいんじゃないの?と思っていた。

 

でもどうだろう。
毎日、「あなたは私たちと違うので」と言われ続けるというのは、どんな気持ちだろう。


私は、今ネットや、ネットを飛び出して繰り出されるヘイトスピーチ、ヘイトデモを始めとするレイシズムが心の底から嫌いだ。
日本人の多く(一部であってほしい)が抱いている、主にアジア諸国への優越感からくる差別意識(逆に”名誉白人”なんて言葉が生まれるほど白人への劣等感もある)、
そして身体的、知的問わず障害者への無理解と差別も、私が想像していた以上に根深く広範囲だと知って、苦しくて悔しくてたまらなくなる時がある。
 尊敬するミュージシャンの中にもいろいろなルーツを持つ人たちがいて、アカデミア界隈でも、国籍や肌の色を問わず素晴らしい方々がいる。その中にも日本で生まれ、日本で育ったのに選挙権の無い人がいる。
そしてどんな人でも、誰かの勇気や希望になり得るし、誇らしいと思う国籍や五体満足の身体を持っていても逆になることだってある。
知れば知るほど、差別に利用される「違い」なんてものは、マジョリティに属したい人間の作った幻想と驕りだと感じる。

そんな当たり前のことを忘れたくは無いのだけれど、あらためて、人は自分がマジョリティだと思うと安心するし、マイノリティになりたがらないものだと、また、例に漏れず私もそうだったのかもしれないと思った。
日本という社会で、
日本国籍で日本人顔で、いわゆる健常者といわれるもので、仕事は女性の割合が多い環境でジェンダー差別も無く(もしかすると逆に男性音楽家のかたは感じているかもしれない)、偶然異性と結婚し子供がいて、自分自身についてはきっとそこまで「周りと大きく違う」と感じることはなかった。ただここ最近、世界中で巻き起こる「差別」「被差別」「反差別」の戦いを見ていて、

 偶然ここにいるだけでマジョリティだが、一歩外に出ればマイノリティなのだ。
 でも一体なにが「違う」?私は私で変わらないのに。

 そして、それは私だけで無く誰だってそうなんだ、

とこれまで以上に強く感じるようになった。

それでもまだ、”経験”では無い。私がもしこの先、自分が少数派である環境に身を置くことになったとしたら、本当の意味で夫や小谷さん親子の気持ちが解るようになるのかもしれない。今はただ、わかりたいと思っているのに本当の意味で理解できていないのかな、ごめんなさいという気持ちだ。

 

好きな曲にTHE BLUE HEARTSの「青空」と、河口恭吾さんの「地球兄弟」がある。
ご存知ない方は、是非歌詞を読んでみて欲しい。
そしてずっと心にとめている言葉に、「未知なるものへの理解と寛容」というのがある。これは中高の卒業アルバムに、ある先生が贈る言葉として書いてくださったものだ。

世界中、いろんな「違い」が溢れていて、それは多様で面白く、それらが差別の材料ではなく「彩り」だと思えるようになっていったらいいなと思う。

レガート夏合宿&ロビーコンサート

会場となった加茂文化センターあじさいホール、
笠置の松本亭

に多大なご協力をいただいて、
レガート初の音楽夏合宿&成果発表となるロビーコンサートを終えることができました!

講座はDavid先生の「楽典入門」、のりこ先生の「ソルフェージュ」、私の「ヴァイオリン骨体操」、「曲をつくってみよう!」、そして室内楽と盛りだくさん。

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みんな真剣に取り組んでいました。

ピアノトリオが5組、ヴァイオリンアンサンブルを2チーム、
いずれも本番が一番良い出来!すばらしかったよ~!!

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夜にはバーベキューもして、大人チームは飲んで!

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子どもたちはなかなか眠らず、夜更かしして…朝寝坊するだろうと思っていたら6時からドタバタ!

私は朝4時半に一斉に鳴き始めたひぐらしに起こされ、おもいっきり寝不足でした!٩( ''ω'' )و

 

講師演奏もたっぷり。ベルギーから来てくださったEric先生、ミキ先生、ありがとうございました!

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チェロの彩乃先生、ヴァイオリンのはるか先生、彩乃先生にも演奏に加わって頂き、とてもとても素晴らしい布陣で心強かったです。

「楽しかった!」とみんなが本当に幸せそうにしてくれたので、
こりゃあ来年もやるか!??とピアノののりこ先生とふたり、意気込んでいます。

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参加してくれたみんな、おつかれさまでした!

合宿事前練習!

 

今年はベルギー🇧🇪のオーケストラから2人の先生を、そしていつもお世話になっているヴァイオリンの先生3名、チェロの先生、

そして我がレガート音楽教室のピアノクラス、のりこ先生によるソルフェージュクラス、
夫Davidによる和声入門クラスという最強の布陣で夏合宿を開きます!私はヴァイオリン骨体操と曲作りクラスを担当します。


今日はその事前練習でした!
どの曲もとてもとても難しい課題にチャレンジするみんな、ものすご〜い頑張りが見えました。

そして気持ちよく弾けましたね!
大人も子供も、この夏でグンと成長しそうです。
合宿が楽しみだな〜

夜はバーベキュー!そっちも楽しみだなあ〜🤤

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選挙権をもたない17歳以下のこどもたちの未来のために

私はお医者さんを選ぶ時も、息子に関わる教育施設を選ぶ時も、どんな時でも、
「そのひと自身の言葉で答えてくれる人か」を基準に判断するようにしています。
「個人」ではなく「立場」でしか物を言えない人よりよっぽど信用出来るからです。
そして正直かどうかも、話せば大体わかりますよね。

 

間も無く選挙です。
私は、尋けば自らの言葉で答えてくれる人を選びたいと思います。知識とさまざまな経験のある、正直な人がいい。

 

嘘をつく大人
差別を煽る大人
自分さえ選民であれば他を虐げても平気な大人
次世代から時間もお金も奪う社会
アカデミアや文化芸術から削られる予算
不要な開発と自然破壊

 

そんな大人社会を、子供たちに押し付けたくありません。


完璧な候補者はいないかもしれません。それでも、ご自分の倫理観に合う誰かは、今回見つかるはずです。

 

絶対に投票に行きましょう!
私たち有権者も、自分の言葉で
「なぜこの人を選んだか」にこたえられるように、よく考え、投票しましょう!

 

それが選挙権(投票権)をもたない17歳以下の子供たちの代わりに投票する、私たちの責任だと思っています。

博多へ

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福岡サンパレスにて、玉置浩二さんのBillboard Classicsコンサートでした!

JUNK LANDのアレンジが特に好きで、最高でした〜弾けてうれしい!🥰

玉置さんの歌はすごいですね、心をガシッと掴まれたように響きました。

ご一緒したオケのみなさまお疲れ様でした!