marikolog

ヴァイオリン奏者として活動している水野真梨子のブログです

VIOLINと音楽とうさぎと教室での毎日を綴ります。
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レガート バイオリン教室(精華町光台 * 奈良市富雄北)

作品紹介:ぼくは挑戦人

【ぼくは挑戦人/ちゃんへん.】

著者は1985年に京都・宇治のウトロ地区でうまれたちゃんへん.さん。この本、個人的にはブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」との二大巨頭となる本だと思います。

純真無垢なちゃんへん.少年が、同級生の(というか彼らも親からの刷り込みで)容赦ない差別を受ける始めの章では、無視が始まり、自分からなにか臭いがするんかな?と早起きしてお風呂に入ってから学校に行った、という序盤のエピソードから涙が止まりませんでした。どんな思いで文章にされたんだろう。

プロのジャグラーを目指す章で、私は初めて在日韓国人が国籍をもたず、他国に勝手に分けられた南北のどちらかを選択しなければ日本を出ることが出来ないと知りました。

選択しなければいけない、ということにとてつもなく大きな痛みを伴うことも。

ジャグラーとして世界中で活躍する中での冒険がまた凄い。
ルーツを辿り、韓国、北朝鮮、サハリンに赴いたり、80か国以上を渡る中で

スラム街やパレスチナの紛争地帯を訪れるくだりもジェットコースターのよう。

この人の人生、凄すぎる。同い年とは、信じられない。深すぎる。

幸せが昌(さか)えるようにと名付けられたというちゃんへん.さん。

金正恩やマイケルジャクソンの前でもパフォーマンスしたことがあるそう。
自身の経験とパフォーマンスを織り交ぜた講演会に対する思いも綴られていました。

ちゃんへん.さんと肝っ玉お母さんが人生かけて周りを変えていっている、と感じ、巨大なパワーをもらった気分です。

いじめや差別に強くNOと言える世の中にしたい。そのための教科書的な、貴重な一冊だと思いました。

もしお時間あればぜひ、手に取ってみてください。 それでは!